岩崎学園の教育システム
横浜デジタルアーツ専門学校での実践とクリエイティブ人材育成
概要: 岩崎学園の教育システムは、創立100年の教育実績と、脳科学・学習心理学・教育工学の13の理論を統合した「再現性のある成長環境」です。東京大学・池谷裕二教授の監修のもと、学生を「やらされる学び」から「モノづくりを自ら楽しむ力を持つ人材」へと育てる3段階のフェーズ設計と、AI・LMSを活用した伴走型サポート体制を、横浜デジタルアーツ専門学校で実装しています。本ページでは、岩崎学園グループ共通の教育システムと、それを当校のクリエイティブ・デザイン教育へ落とし込んだ具体的な実践例を公開しています。

学校法人岩崎学園 横浜デジタルアーツ専門学校は、ゲーム分野、映像・CG分野、漫画・イラスト分野、デザイン分野、ミュージック分野の5系統のクリエイティブ業界を夢見る高校生の「モノづくりが大好き」という純粋な情熱を、確実にプロの技術へと昇華させる独自の教育システムを構築しています。
作品制作やプログラミングの学びを「センスや才能」といった曖昧なものに委ねるのではなく、最先端の脳科学や学習心理学のエビデンスに基づきシステム化。初めて触れる専門ツールへの不安を「自分にも創れる」という確かな有能感へと変え、時間を忘れて制作に没頭できる環境を科学的に作り出します。
自律的に「楽しむ力」を持つ次世代のクリエイターへの成長の階段が、ここから始まります。
目次
1. 入学から卒業まで 成長の階段(3つのフェーズ)
2. 教育理論との紐付けと、当校での実践例
_2-1. 意欲と主体的行動を引き出す「動機づけ・マインド理論」
_2-2. 記憶の定着と習慣化を科学する「認知・学習理論」
_2-3. 実践の質を高める「経験と振り返りの理論」
_2-4. 行動変容を導く「評価・コミュニケーション理論」
3. 担任システム(伴走型サポートシステム)の詳細
_3-1. 学生が語る、岩崎学園の担任の本当の姿
4. 教職員の10の行動指針
5. 結びにかえて
1. 入学から卒業まで 成長の階段(3つのフェーズ)
横浜デジタルアーツ専門学校のカリキュラムは、自己決定理論(SDT)とコルブの経験学習モデルを基盤に、学生の心理的成長に合わせて介入度を綿密にコントロールする「3段階のフェーズ」で設計されています。※2年制・3年制学科においても、それぞれの年次相応の段階設計を適用しています。

フェーズ①:【基礎学習】有能性を身につける(主に入学初年度)
初めてイラストやデザイン、ゲーム制作や、音楽制作等の専門領域に触れる1年生の初期は、期待と同時に「周りのレベルについていけるだろうか」「センスが足りないのではないか」という強い不安を抱えています。この時期の目標は、徹底的な仕組化によって「学習の習慣化」を図り、「自分にも作品が作れる、理解できる」という確かな自信(有能性)を育てることです。
- アプローチ: やる気に頼るのではなく、日々の授業運営の中に「まず身体を動かす」「最初と最後で脳を刺激する」仕組みを導入。教員による積極的な介入と「プロセスへの承認(外的承認)」、その成長を視覚的に実感させる「成長実感」を通じて、学びへのエンジンを立ち上げます。
フェーズ②:【経験学習】省察・概念化と成功体験(主に2〜3年次)
基礎を終えた学生は、学内での共同制作プロジェクトや産学連携、コンテスト挑戦といった本格的な「実践の場」へと進みます。この時期の目標は、リアルな現場や制作過程での成功や失敗を成長の糧へと変える「経験学習サイクル」の定着です。
- アプローチ: 楽しさだけでなく、あえて「少しの凹凸(望ましい困難)」がある環境を用意します。教員は答えを教え込む役割から、学生自身にリフレクション(省察)を促す「ファシリテーター(伴走者)」へと役割を変え、関係性を満たしながら「学び・制作の意義付け」をサポートします。
フェーズ③:【自律学習】楽しむ力を持つ人材へ(主に卒業年次)
最終段階では、教員のサポートを最小限に抑え、学生が自らの意志で動き出す状態を目指します。
- アプローチ: 獲得した技術や知識を、誰かに指示されるからではなく「社会や誰かのために活かしたい」「自分だけの作品を世に送り出したい」という内発的動機(自律性)へと昇華させます。困難さえも「自分を成長させるクエスト」として楽しめる自律的な姿勢を完成させ、社会へと送り出します。
2. 教育理論との紐付けと、当校での実践例
これらの成長の階段を支えるのが、東京大学大学院の池谷裕二教授の監修による脳科学・学習心理学のエビデンスです。当校では、これらの理論を日々の授業運営や作品制作のプロセスにダイレクトに組み込んでいます。
2-1. 意欲と主体的行動を引き出す「動機づけ・マインド理論」
① 自己決定理論(Self-Determination Theory : SDT)
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理論の解説: 心理学者のエドワード・デシとリチャード・ライアンによって体系化された動機づけの理論です。人が他者から強制されずに自発的に行動し、優れた成果を出し続ける(内発的動機づけ)ためには、「有能感(自分には能力があるという感覚)」「関係性(他者とつながり、認められているという感覚)」「自律性(自分の意志で行動を選択しているという感覚)」という3つの心理的欲求が満たされることが不可欠であると定義されています。
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現場でのつながり: 入学直後の1年生は、専門分野への不安からこれら3つの欲求が非常に低い状態(外発的動機、または無動機)にあります。ここでいきなり「プロなんだから自律的に作品を創りなさい」と突き放しても、学生の脳は思考停止してしまいます。そのため、学年や成長フェーズに応じて教員の介入度を綿密にコントロールし、段階的にこの3つの欲求を満たしていくアプローチをとります。
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実践・成功例: 人が自発的に行動し、優れた成果を出すための「有能感」「関係性」「自律性」の3つの欲求を、学科ごとの特性に合わせて満たしています。
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ゲーム科(ゲーム開発科): 入学直後の未経験者に対し、まずは小規模な制作を通じて「自分にも作れる」という有能感を育てます。進級時にはチーム制作で仲間との関係性を築き、卒業制作では企画や開発方針を自ら決定することで、主体的で自律的なクリエイターへの成長を促します。
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ミュージック科: 全員必修の楽器体験を通じて「音を出せる」という有能感をまず獲得させます。今年導入された「キャリアトラック制」では、学生が自らの志望に合わせて指導チャンネルを4月に自律的に選択し、途中で変更も可能な設計にすることで、本人の意志を尊重した自律的な学びを支援しています。
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総合デザイン科: 多様な領域(Web・写真・映像等)を学ぶ中で自分の適性を発見させ、基礎課題で有能感を育てます。企業連携プロジェクトで社会との関係性を強化し、最終的に専門領域を自ら選択させることで、卒業時にはプロとしての自律性を確立させます。
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② フロー理論(Flow Theory)
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理論の解説: 心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した、人間が時間を忘れるほど目の前の活動に完全に没頭し、最高のパフォーマンスを発揮している精神状態(フロー状態)に関する理論です。フロー状態に入るためには、「課題の難易度」と「本人のスキルレベル」が絶妙なバランスで均衡していること(難しすぎて不安にならず、簡単すぎて退屈しない領域)が必要不可欠です。
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現場でのつながり: クリエイティブ教育において、授業や課題のレベルが平坦すぎると、スキルの高い学生は「退屈」し、逆に難易度が急激に上がりすぎると、ツールを使いこなせない学生は「不安・恐怖」を感じて挫折してしまいます。集団授業において、すべての学生をこの「フロー領域」に長期間とどまらせることは、従来の教育手法では非常に困難でした。
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実践・成功例: 「課題の難易度」と「スキルレベル」の均衡を保ち、没頭状態(フロー)を意図的にデザインしています。
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CG科: 「3DグラフィックスⅡ」の授業では、学生が自身のスキルに合わせて3つの難易度から課題モチーフを選択できる仕組みを導入しました。個別の習熟度に最適化された課題設定により、全員を「没頭(フロー)」へと導きます。
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ミュージック科: 全講師が授業冒頭で「今日のゴール」を明示します。意欲層には高い目標を、基礎層には確実にできる範囲を提示するなど、同じ課題でも到達点を変えることで、常に「あと少しでできる」フロー状態を維持させています。
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漫画・イラスト科: 1年次の課題難易度をあえて低く設定し、「未達(できない)」による挫折を防ぎます。初心者はバストアップから、描ける学生は描画スピードの向上など、個々のレベルに応じた「心地よい摩擦」をデザインしています。
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③ BERI(やる気を出す方法)
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理論の解説: 本教育システムの監修者である池谷裕二教授の知見などに基づく、脳科学に根ざした教育システムの根幹をなすフレームワークです。脳のやる気を司る部位は、自分の意思(精神論)ではコントロールできません。しかし、【B】Body(カラダを動かす)、【E】Experience(いつもと違うことをする)、【R】Reward(ごほうびを与える)、【I】Ideomotor(なりきる)という4つのアプローチを連動させることで、感情(やる気)の有無に関わらず、脳を強制的に、かつスムーズに学習モードへと誘うことができるシステムです。
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現場でのつながり: 「やる気が出るのを待つ」という受動的な姿勢では、いつまで経っても制作のエンジンはかかりません。特に初めての専門領域に触れる1年生の初期は、内容への心理的ハードルが高いため、「モチベーションを高く持ちなさい」という言葉での叱責や指導は無力です。学生の精神力に依存するのではなく、授業デザインそのものが脳の「4つのスイッチ(BERI)」を自然と押してしまうような、科学的な仕組みが必要とされます。
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実践・成功例: 「Body(動く)」「Experience(新鮮な体験)」「Reward(ごほうび)」「Ideomotor(なりきる)」の4スイッチを授業に組み込んでいます。
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Webデザイン科: PCを使わずレゴを用いるワークショップで手を動かし(Body)、意外な体験で脳を刺激します(Experience)。初回授業でWebページを制作し、「自分はクリエイターだ」と自己暗示を促す(Ideomotor)ことで、自律的な学習姿勢を引き出しています。
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総合デザイン科: PCの前に座り込まず、レタリングや紙工作など「手や身体を動かす課題」から入ることで、脳を作業興奮へと誘います(Body)。利き手と逆の手で書くなどの遊びの要素で刺激を与え(Experience)、デザイナーになりきる環境を整えています(Ideomotor)。
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ミュージック科: 「やる気が出てから演奏する」のではなく、生楽器に触れる全員必修体験で身体を動かします(Body)。卒業生の商業実績を「自分たちの基準」として提示し、当事者意識(Ideomotor)を高めることで、業界へ踏み出す姿勢を獲得させています。
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④ ローゼンタール効果(Rosenthal Effect:ピグマリオン効果)
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理論の解説: 教育心理学における高名な心理効果で、「人間は他者から期待されると、その期待に沿った成果を出すようになる」という現象です。逆に、指導者が「この学生は作品のセンスがない」と心のどこかで諦めていると、それが無意識の態度や言葉に表れ、本当に学生の制作意欲やクオリティが低下してしまう(ゴーレム効果)ことも実証されています。
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現場でのつながり: 入学段階でのPCスキルやデッサン力、要領の良さには個人差があります。教員が特定の優秀な学生ばかりに期待をかけたり、進捗の遅い学生に対して「どうせ無理だろう」という前提で接してしまうと、学生はそれを敏感に察知し、自尊心を傷つけ、創作意欲を完全に喪失してしまいます。
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実践・成功例: 「できないと決めつけない」を掲げ、教員の高い期待が学生の自己効力感を引き出します。
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ゲーム科(ゲーム開発科): プログラミング未経験で「向いていない」と悩む学生に対しても、教員は「この発想は面白い」「次はここまでできる」と期待を伝え続けます。その信頼が力となり、卒業制作で企業から高評価を得て就職を実現した事例が多くあります。
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CG科: 完成度だけでなく、挑戦したプロセスや努力を評価します。デッサン経験が少なかった学生も、教員が成長点を具体的に伝え続け、企業の採用担当者による作品講評への参加を後押しすることで、最終的に大手ゲーム会社への内定を勝ち取っています。
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ミュージック科: 「続けた人は必ずなんとかなる」という確信を教員が持っています。入学時の実力が未知数でも、一人ひとりの強みを言葉にして伝え続けることで、シンガーソングライターとして覚醒したり、卒業後にデビューを果たしたりする可能性を引き出しています。
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漫画・イラスト科: 「正確性」よりも、学生が持つ「雰囲気」や「描き進めたいという願い」をまず肯定します。悩んでも聞けば解決できるという雰囲気を醸成することで、学生は自信を持って創作に打ち込めます。
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メディアクリエイティブ学科(映像制作科): 教員が学生一人ひとりの強みを言葉にして伝え続けたことで、自信を持って新しい役割に挑戦するようになりました。自ら得意分野を見つけて伸ばし、希望する映像分野への就職を勝ち取りました。
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⑤ ダニング・クルーガー効果(Dunning–Kruger Effect)
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理論の解説: 社会心理学者のデヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱した、人間の認知特性に関する理論です。「ある領域において未熟な人ほど、自分の実力を正確に測る物差し(メタ認知能力)を持たないため、自分の実力を過大評価(自信過剰)しやすい」という現象を指します。これは一見すると認知のエラー(勘違い)のように思えますが、教育においては「未熟だからこそ、プロの壁の高さに怯むことなく、根拠なき自信を持って前向きにチャレンジし続けられる」という、脳の極めてポジティブな初期ブースターとして機能します。自分の未熟さに足を止めることなく、純粋に「楽しんで作り続けること」ができるからこそ、その圧倒的な行動量の先に真の成長がもたらされます。
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現場でのつながり: 入学直後の1年生によく見られる、「自分にはクリエイティブのセンスがあるから大丈夫」「これくらい簡単に業界で有名になれる」という一見無鉄砲とも言える高いモチベーションは、この理論が好意的に作用している状態です。当校ではこの「初期の自信」を絶対に否定せず、まずは楽しんで作品を創り、打席に立って行動量を爆発させるための貴重なエネルギーとして扱います。しかし、年次が進み、学内での実践や実際の現場(産学連携プロジェクトやコンテストなど)を経験すると、学生は「本物のプロの物差し」を手に入れ、初めて自分の現在地と課題を客観的に自覚できるようになります。このとき、学生は一時的に「自分はまだまだできていなかった」と立ち止まることがありますが、これは能力の低下ではなく、「楽しんで作り続けた結果、次のステップへ進むための正しい自己認識(メタ認知能力)が育った証」です。
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実践・成功例: 初心者の「根拠なき自信」を初期の爆発的な行動エネルギー(初期ブースター)として活用し、成長に応じて客観的なメタ認知へと繋げます。
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ゲーム科(ゲーム開発科): 入学当初の「自分はゲーム制作が得意」という自信を否定せず、まずは夢中で作らせます。その後、企業評価会でユーザー視点の課題を指摘されることで、本物のプロの物差しを手に入れ、冷静な自己改善へと繋げています。
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ミュージック科: 軽音楽部などの「経験者ほど自己流で止まる」という認知特性をデータとして学生に提示しています。現場研修でプロの仕事を間近に見ることで、自分の技術の現在地を客観的に認識させ、基礎からやり直す姿勢への転換(メタ認知の向上)を促します。
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Webデザイン科: 自身のデザインに自信を持つ学生に「ユーザーテスト」を体験させます。「使いにくい」という第三者の声に触れることで、自分では気づけなかった課題を発見し、利用者視点を持つ真のプロへと成長させます。
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漫画・イラスト科: 1年次の早い段階であえて難易度の高いアングルに挑戦させますが、ここでは「それらしく見える」ことを重視し、正確性は求めません。「描けた!」という万能感(初期ブースト)を維持させることで、苦手意識を持たずに多様な表現に挑戦する姿勢を育てます。
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(補足)一般的な誤解について: ビジネス書やSNS等において、ダニング・クルーガー効果は「初心者が自信満々の状態から、挫折して『絶望の谷』に落ち、そこから這い上がる」という曲線グラフとともに紹介されることが多々あります。しかし、これは後世の俗説(ミーム)であり、実際のダニングとクルーガーの論文(1999年)にはこのようなプロセスやグラフは登場しません。 実際の理論が証明しているのは、「未熟な人ほど、自分の現在地を測る物差しを持たないため、無自覚に自信過剰になりやすい」という認知の仕組みそのものです。当校では、この「無自覚だからこそ、恐怖を抱かずに楽しんでやり続けられる」という本来の心理効果のメリットに着目し、初期の強力な行動エネルギーとして教育システムへ落とし込んでいます。
2-2. 記憶の定着と習慣化を科学する「認知・学習理論」
⑥ エビングハウスの忘却曲線と「分散学習」
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理論の解説: 心理学者ヘルマン・エビングハウスが実験によって明らかにした、人間の記憶の保持に関する理論です。人間は覚えた直後から猛烈な勢いで忘却が始まり、1日後には約7割を忘れてしまいます。この忘却に抗い、知識を長期記憶として定着させるためには、一度に詰め込む(集中学習)のではなく、あえて時間を空けて「直後、1日後、1週間後、1ヶ月後」と定期的に復習を繰り返す「分散学習(Spaced Repetition)」が極めて有効であるとされています。
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現場でのつながり: 覚えるべき専門知識やデザインツールのショートカット、各種理論において、課題の直前に詰め込み学習をしても、終われば知識は霧のように消えてしまいます。これでは、将来の制作実務や就職後の現場で全く役に立ちません。
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実践・成功例: 人間は覚えた直後から忘却が始まり、1日後には約7割を忘れてしまいます。知識を長期記憶として定着させるためには、あえて時間を空けて復習を繰り返す「分散学習」が不可欠です。
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ミュージック科: 楽典や聴音で学んだ「コード理論」を、単独の座学で終わらせません。その後に行われる「作曲・編曲法」「MIDI・DAW演習」「アンサンブル」といった異なる科目において、同じ理論を繰り返し活用するカリキュラム設計になっています。同じ知識を異なる文脈で何度も使うことで、「知っている」状態から「現場で使いこなせる」状態へと定着させています。
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漫画・イラスト科: 「ユニット授業」の仕組みを導入しています。今日学んだアプリケーションの機能を、翌日の応用実習ですぐに復習できるよう設計しています。前回・前々回の課題内容を内包した次段階の課題を提示することで、学生が意識せずとも学びを反芻し、技術を確実に肉体化させています。
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⑦ 初頭効果・終末効果
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理論の解説: 人間は提示された情報の「最初(初頭効果:Primacy Effect)」と「最後(終末効果:Recency Effect)」に接した情報が、最も記憶に残りやすく印象に残りやすいという脳の認知特性です(Murdock, 1962)。初頭効果は長期記憶に、終末効果は短期記憶(ワーキングメモリ)に強く依存しているとされています。
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現場でのつながり: 多くの学校の授業では、授業の最初の10〜15分を出席確認や事務連絡などの雑務でだらだらと消費し、最も集中力が落ちる中盤に重要な講義を行い、最後はバタバタと片付けをして終わりがちです。これらは脳の記憶のゴールデンタイム(最初と最後)を完全にドブに捨ててしまっている状態です。
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実践・成功例: 人間は情報の「最初」と「最後」が最も記憶に残りやすいという特性を持っています。授業の90分間を、この脳のゴールデンタイムに合わせて科学的に設計しています。
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ミュージック科: 授業冒頭(初頭効果)では、プロの楽曲を聴いてその優れた点を言語化する分析ワークからスタートします。そして授業の最後(終末効果)には、制作途中の作品を互いに試聴し、コメントし合う時間を設けています。「聴く→作る→評価する」のサイクルを記憶に残りやすいタイミングで完結させることで、学生自身が成長を実感し、次回の制作への意欲を高めています。
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ゲーム科(ゲーム開発科): Unityを用いた制作授業では、開始時に「完成サンプル」を体験して目標を明確化し、終了時に「制作した機能」を発表して成果を共有します。始まりと終わりの設計により、その日の学びを整理し、次回へのモチベーションへと繋げています。
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⑧ ラーニングピラミッド(Learning Pyramid)
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理論の解説: アメリカの国立訓練研究所(NTL)などの研究で知られる、学習方法の違いによる「平均学習定着率」を表したモデルです。受動的な講義の聴講や読書に比べ、グループ討論、自ら体験する、そして「他の人に教える」という能動的なアクティブ・ラーニング(能動的学習)の方が、高い定着効果を発揮するとされています。
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現場でのつながり: 教員が教壇から一方的に知識やツールの使い方を話し続ける「座学」のスタイルは、大勢に情報を伝えるには効率的ですが、学生の脳にとっては非常に退屈で定着率も低くなります。しかし、学生にいきなり「主体的にデザインについてディスカッションしなさい」と言っても、知識の土台や安心感がない状態では、一部の積極的な学生以外は黙り込んでしまいます。
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実践・成功例: 受動的な講義よりも、自ら体験し、他者に教える「能動的学習」の方が圧倒的に高い定着効果を発揮します。
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CG科・グラフィック科: 学科内の作品発表会や資格勉強会において、上級生が下級生にアドバイスや解法のコツを教える「ピア・ラーニング」を導入しています。後輩の質問に答えるために自分の知識を再構成して言語化するプロセスが、教える側の上級生の理解を最高レベルまで引き上げ、就職活動でのポートフォリオ説明にも活かされています。
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ミュージック科: 現場研修(Kアリーナ等)の後、単に感想を書くだけでなく、研修レポートの提出とホームルームでの全体共有を仕組み化しています。「ステージ設営の流れ」や「現場の空気感」を自分の言葉で仲間に伝えることで、現場での具体的経験が整理され、業界への解像度が飛躍的に高まります。
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2-3. 実践の質を高める「経験と振り返りの理論」
⑨ コルブの経験学習サイクル(Experiential Learning Model)
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理論の解説: デービッド・コルブが提唱した、具体的な経験を真の成長へと変えるための4段階のサイクル理論です。人間は、単に何かを「① 経験」するだけでは成長しません。その経験を客観的に深く振り返る「② 省察」を行い、そこから「次に活かせる教訓やルール」を導き出す「③ 概念化」を経て、それを新しい状況で「④ 実践」に試す。この4つのステップを回すことで初めて、経験が再現性のある真の実力へと昇華されます。
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現場でのつながり: 作品制作やコンテスト、産学連携の現場において、学生は必ず多くの失敗や思い通りにいかない現実(デザインが通らない、エラーが解決しない等)を経験します。このとき、多くの教育現場で陥りがちなのが、単なる「反省会」や「愚痴の言い合い」、あるいは「今回は運が悪かった」という片付け方です。これでは経験がただの「思い出」や「トラウマ」で終わってしまい、次の成長に繋がりません。
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実践・成功例: 単なる「経験」を「再現性のある実力」に変えるためには、具体的経験→省察(振り返り)→概念化(教訓の抽出)→実践、という4つのステップを回すことが不可欠です。
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ゲーム科(ゲーム開発科): チーム制作でのスケジュール遅延やバグの発生を単なる失敗で終わらせません。原因をチームで話し合い(省察)、「進捗を毎日共有するルール」といった改善点(概念化)を導き出します。これを次の卒業制作で実践することで、バグのない高度なシステムを完成させる「本物の開発力」を養っています。
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総合デザイン科: 企業・地域連携プロジェクトにおいて、マインドマップ形式の「リフレクションマップ(※)」を作成します。企業からの評価を振り返り、自分たちの行動指針を視覚化して概念化することで、より上流工程(企画・戦略)をこなせる人材へと成長させています。


※リフレクションマップ:横2メートルほどある大きなポスターに、活動の全体像の振り返りをまとめる -
⑩ 成長差分の可視化(進捗の法則)
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理論の解説: ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授らの研究「進捗の法則」に基づくアプローチです。人間のモチベーションを最も高めるのは、高額な報酬や大絶賛ではなく、「日々、自分が前進している(成長している)という小さなしるしや実感を自覚すること」であるとされています。
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現場でのつながり: 「最終目標(プロレベルの作品制作や内定、高いクリエイティブ技術)」があまりにも遠く高い場所にあると、日々の地味な基礎スキルの習得の中で、学生は「自分は本当に上手くなっているのだろうか」と五里霧中になり、モチベーションを維持できなくなります。他者との比較ばかりを気にして、自己肯定感を下げる原因にもなります。
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実践・成功例: モチベーションを最も高めるのは、大絶賛ではなく「自分が前進しているという実感」です。過去の自分(基準点)からの「成長差分」を可視化します。
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ミュージック科: 入学時の拙い制作データと、現在の楽曲を並べて聴き比べる機会を設けています。音の厚みやミックスの精度の向上を自分の耳で確認(可視化)することで、他者との比較によるスランプを脱し、「続ければ必ずなんとかなる」という確かな自信をデータとして実感させています。
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CG科・総合デザイン科: 学習成果を一覧できる「学習成果シート」や、時系列で保存された過去のデッサン・3Dモデルを活用します。半年・1年前の自分と現在のクオリティを俯瞰して見ることで、プロに近づいている軌跡を客観的に自覚させ、高い意欲を維持させています。
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メディアクリエイティブ学科(映像制作科): 過去と現在の作品を見比べた学生が、カットのつなぎやカラーグレーディングの成長を実感しました。自分の成長が目に見えることで制作への意欲が高まり、さらに新しい表現に挑戦する好循環が生まれました。
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2-4. 行動変容を導く「評価・コミュニケーション理論」
⑪ PNP法(Positive-Negative-Positive)
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理論の解説: コミュニケーションや指導におけるフィードバックの技法です。相手の課題や修正点を伝える際に、それを単体で伝えるのではなく、まずは相手の優れている点や努力したプロセスを褒め(Positive)、その後に具体的な改善点を提示し(Negative)、最後は今後の期待やポジティブな言葉で挟んで締めくくる(Positive)というサンドイッチ型の伝達技法です。
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現場でのつながり: 特に1年生や、初めて作品制作・実技を行う学生の心は非常に繊細です。教員側が良かれと思って結果だけをストレートに否定(Negative)すると、学生の脳は「拒絶された」と判断し、心理的安全性が崩壊して、その分野への挑戦意欲を失ってしまいます。
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実践・成功例: 相手の課題を伝える際、良い点(P)→改善点(N)→今後の期待(P)の順で伝えるフィードバック技法です。クリエイターの繊細な意欲を折らず、成長を加速させます。
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CG科・グラフィック科: 作品講評において「構図や配色の良さ(P)」をまず全肯定し、その上で「プロに近づくための具体的な技術的改善点(N)」を指摘し、最後に「作家性への期待(P)」を伝えます。この順序を教員が徹底することで、学生は拒絶感なくアドバイスを受け入れ、作品のブラッシュアップに没頭できます。
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ミュージック科: 「自己流で満足している層」に対し、まずそのセンスを承認し(P)、その後に音楽理論に基づいた具体的な課題を提示し(N)、次への期待を言葉にします(P)。これにより、学生は反発することなく、自ら基礎練習の必要性に気づき、行動を変容させています。
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⑫ 情報源信頼性理論(Source Credibility Theory)
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理論の解説: コミュニケーション心理学における基礎理論の一つで、「人間は、当事者が直接発信する情報よりも、利害関係のない第三者による情報(口コミや外部専門家の評価など)の方を信頼する」という心理効果(ウィンザー効果)を説明したものです。情報の受け手は、発信者が「何を発信しているか」だけでなく、「その発信者は信頼できる立場か(客観性)」を無意識に評価しているとされています。
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現場でのつながり: 担任や日頃から接している教員が学生に対して直接伝えるメッセージは極めて重要です。しかし、時に学生側は主観的なバイアスを抱いてしまうことがあります。自ら発信するメッセージの信頼性を最大化するためには、学内の教職員という単一の情報源に閉じず、客観的な立場にある「第三者」の声を戦略的に介入させる必要があります。
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実践・成功例: 人間は、当事者が直接発信する情報よりも、利害関係のない第三者による情報(ウィンザー効果)を信頼します。外部のプロの声を戦略的に介入させます。
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ゲーム科(ゲーム開発科)・Webデザイン科: 担任が言い続けている「基礎の大切さ」に対し、外部の有名クリエイターを招いて講評会を行います。プロから直接「現場で求められるのはこの基礎だ」と言われることで、学生の中で授業の価値が「確信」に変わり、実習への熱量が劇的に向上します。
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ミュージック科: 業界の第一線で活躍するプロや、商業実績を持つ卒業生を積極的に招聘しています。彼らのリアルな評価は、教員の指導を裏付ける「最も信頼できる第三者の声」として機能し、学生のプロ意識を劇的に引き上げるターニングポイントとなっています。
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⑬ ゲーミフィケーション(Gamification)
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理論の解説: ゲームが持つ「人を熱中させる要素(明確な目的、即時フィードバック、スコアの可視化、スモールステップの課題など)」を、教育などのゲーム以外の領域に応用し、モチベーションを爆発的に高める手法です。
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現場でのつながり: 「教科書を1ページ目から順番に読み、ツールの機能を暗記する」という従来の平坦な学習スタイルは、脳にとって非常に退屈で苦痛を伴います。
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実践・成功例: ゲームの要素(明確な目的、即時フィードバック、スコアの可視化)を教育に応用し、退屈になりがちな基礎学習を「熱中できるクエスト」に変えます。
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Webデザイン科: 1年のコーディング授業では、操作スピードを競う「タイピング大会」を導入しています。努力の成果がその場で即座に画面へフィードバックされる仕組みにより、学生は夢中で没頭して反復練習を重ね、コーディングに不可欠な実装スキルを飛躍的に高めています。
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ミュージック科: 音楽理論(コード進行等)の習得に、AIを活用した自律学習コンテンツとスコア可視化システムを導入しました。学生が自分のペースでクエストを攻略する感覚で取り組んだ結果、平均点が大幅に向上し、不合格者がゼロになるという目覚ましい成果を上げています。
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3. 担任システム(伴走型サポートシステム)の詳細
横浜デジタルアーツ専門学校の「クラス担任制」は、教員個人の経験則や熱意といった属人性だけに頼るものではありません。データフロー図(DFD)に基づき、科学的に組織全体で学生一人ひとりを包み込む「伴走型サポートシステム」を確立しています。

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学生の「生データ」を網羅する学生カルテ: 教員と学生の接点は、定期面談や授業内だけに留まりません。廊下での立ち話、放課後の何気ない会話、保護者様とのコミュニケーションに至るまで、教職員が気づいた学生の「生データ」はすべてリアルタイムで学生カルテに蓄積・集約されます。
※蓄積されたデータは、学園の個人情報保護方針に基づき厳重に管理され、学生のサポート目的以外に利用されることはありません。
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学年(横串)× 学科(縦串)による迅速な方針決定: カルテに集まったデータをもとに、学年会議(横串)と学科会議(縦串)を定期的に開催。一人の担任の視野に依存せず、多角的な視点から「今、この学生にどのようなアプローチが必要か」の支援方針を組織として決定します。
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教職員を強力にバックアップする「2つのAIシステム」:
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学生指導AI: 蓄積されたカルテデータから、学生のエンゲージメント低下や小さな予兆をいち早く察知し、教員へのアラートや適切な対応法のヒントを提示します。
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就活サポートAI: 入学からのポートフォリオ更新や生活履歴データと、企業の採用動向データを掛け合わせ、その学生だけの「成長実感」を言語化。最適な履歴書作成やマッチングをサポートします。
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チームによる多層サポート: クラス担任が中心軸となりつつ、授業担当教員、スクールカウンセラー、就職担当スタッフがカルテを通じて状況を完全共有。状況に応じて、担任以外の最適な職員がアプローチできる体制を整えています。
3-1. 学生が語る、岩崎学園の担任の本当の姿
岩崎学園の教育システムを、実際に体験している学生たちの声でお伝えします。以下、学校・先生のイニシャルは個人特定を避けるため一部表記を変えています。
「歩く消臭剤」みたいな安心感の先生、無理難題に脚立に乗ってくれる
M先生は、そこにいるだけで周りが浄化される「歩く消臭剤」みたいな安心感があるんです。演出で天井の電気を消したいって無理を言った時、他の先生はダメだったけど、M先生は「蛍光灯一つ外せばいけるよ」って一緒に脚立に乗って手伝ってくれました。おしゃれで大好きな先生!
「現場で使うやつ」って分かる授業、ふらっと席まで来てくれる先生
T先生の授業はマジで「現場で使うやつ」って分かる。動画とか画像で「こういう案件で実際こう使うんだよ」って見せてくれるから、納得感がヤバい。チーム制作で詰まった時も、ふらっと席まで来て「ここは?」って聞いてくれるから、置いてかれない。プロが使ってる技術の本筋を教えてもらってる感じがする。
「家族じゃなく、踏み台にして自立しろ」と笑う先生
Y先生、普段は「先生」を演じててテンション高いけど、学食で一緒にランチ食べる時はマジでフランク。ウチが提出物サボりそうになると「バレてんぞー」って笑いながら釘刺してくる。家族じゃなくて「踏み台にして自立しろ」って距離感が逆に信頼できるわ。
進級制作で孤立してた僕に、組ませる相手とコンテストを示してくれた
S先生は、進級制作で一人でプログラミングしていた僕に「この学生と組んでみな」と他の学生を紹介してくれました。ホラーゲーム作って人に遊んでもらった時の反応がマジで嬉しくて、「あ、ものづくりってこういうことか」って初めて分かった。サークル活動でも、僕が作ったホラーゲームをコンテストに出すよう後押ししてくれました。
※ 本ページに掲載のエピソードは、横浜デジタルアーツ専門学校の在校生・卒業生の声から、本人同意の上で掲載しています。学校名・先生のイニシャルは、個人特定を避けるため一部を変更しています。
4. 教職員の10の行動指針
この高度な教育システムを正しく機能させ、学生に安心感と挑戦への意欲を与えるために、横浜デジタルアーツ専門学校のすべての教職員は、以下の10の行動指針を徹底しています。
1. 否定から入らず「共感」から
学生が「プログラムのバグが取れない」「思い通りのデザインが描けない」と行き詰まっている時、技術的な指摘を急ぐ前に、まずはその作品に込めた意図や試行錯誤のプロセスに共感します。クリエイティブにおける心理的安全性を担保し、失敗を恐れずに「まずは形にしてみる」挑戦を支える土台を作ります。
2. 自分語りより傾聴を重視
教員のプロとしての経験談を一方的に押し付けるのではなく、学生の言葉に耳を傾けます。学生が「なぜこのロジックを組んだのか」「なぜこの配色を選んだのか」という、作品の背後にある独自のロジックや感性を丁寧に引き出し、個性を尊重した指導を行います。
3. 知ったかぶりはしない
AIや新しい制作エンジン、トレンドの移り変わりが激しいクリエイティブ業界において、教員も常に学び手であることを忘れません。新しい技術やツールに対し、分からないことは誠実に認め、学生と共にリサーチし、共に最新の表現をアップデートし続ける姿勢を貫きます。
4. 考えを押し付けず共に考える
「正解のコード」や「唯一のデザイン案」を安易に指示するのではなく、学生自身が思考し、納得のいく答えにたどり着けるようファシリテートします。作品制作やプロジェクト演習で壁にぶつかった際、より良い表現や解決策を学生と同じ目線で模索します。
5. できないと決めつけない
学生の可能性に限界を設けません。入学時のPCスキルやデッサン力の有無に関わらず、「適切な環境とアプローチがあれば、この学生は必ずプロのクリエイターになれる」という絶対的な信頼を持って接します。その期待が、学生の自己効力感と爆発的な行動量を引き出します。
6. 自ら楽しみ好奇心を持つ
教職員自身が、新しい流行やテクノロジー、社会の変化を心から楽しみ、好奇心を持って行動します。教員がワクワクしながらモノづくりに向き合う背中を見せることで、そのポジティブな熱量を学生へと伝播させ、学生が「自ら楽しむ力(内発的動機)」を持つきっかけを作ります。
7. 関係職員と情報共有に努める
一人の学生を孤立させないため、教職員間での情報共有を徹底し、組織としてのサポート力を最大化します。学科や部署の壁を超え、一人の学生の成長や変化をチーム全体で見守り、迅速な方針決定につなげます。
8. 公平性を重んじる
特定の学生に偏ることなく、すべての学生に対して公平かつ誠実に向き合い、適切な成長機会を提供します。企業連携プロジェクトへの参加や、学内イベントでの役割、最新機材の使用機会など、全員が平等に「成長の打席」に立てる環境を守ります。
9. 学生の主体的活動に協力的である
「自主的にゲームジャムを開催したい」「学外でライブイベントをやりたい」といった、学生が自発的に手を挙げた活動に対し、全力でリソースの提供やバックアップを行います。学生の「やりたい」というエネルギーを尊重し、それを形にするための協力を惜しみません。
10. 学生に合った目標を定め、プロセスを褒める
他者との比較ではなく、その学生自身の習熟度(スモールステップ)に合わせた目標を共に設定します。作品の完成度という結果だけでなく、デバッグをやり遂げた粘り強さや、デザインを何度もリテイクした労力といった「払ったプロセス」を承認し、確かな成長実感を支えます。
結びにかえて:すべては、未来を創るクリエイターに「再現性のある成長」を届けるために
当校は、保護者の皆様が安心して未来を託すことができ、高校の先生方が自信を持って生徒を送り出すことができ、そしてゲーム、映像・CG、漫画・イラスト、デザイン、ミュージック業界の皆様が「ぜひクリエイティブの即戦力として迎え入れたい」と心から望む、そんな自律性と楽しむ力に満ち溢れたプロフェッショナルを、科学的に、そして情熱的に育み続けてしていくことをここにお約束いたします。
才能だけに頼らない確かなエビデンスと、学生の心の迷いや作品に寄り添う温かい担任伴走システムを通じて、社会に新しい価値と感動を届け、デジタル社会の未来を切り拓くクリエイティブ人材を社会へと送り出してまいります。
【システム監修】
東京大学・大学院薬学系研究科 教授 池谷 裕二
日本が世界に誇る脳研究者の一人であり、岩崎学園総合教育アドバイザーとして本教育システムの監修を務める。専門分野は大脳生理学。とくに海馬の研究を通じて、脳の健康について探究している。著書に『海馬』『記憶力を強くする』『脳には妙なクセがある』などがある。脳の最先端の知見を老若男女、世界に向けて分かりやすく伝えている。「情報7daysニュースキャスター」(TBSテレビ)にコメンテーターとして出演中。 東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室
池谷教授メッセージ:
脳は、「やらされる」より「やりたい」と感じたとき、驚くほど活性化します。
岩崎学園が重視する「楽しむ力」と「自律性」は、学習効率を最大化する脳のメカニズムそのものです。ここで培った好奇心は、生涯にわたる皆さんの成長エンジンになるでしょう。
【教学責任者】
教育事業創造本部 本部長 伊藤泰宏
学校法人岩崎学園CDO(Chief Data Officer)・評議員。20年以上にわたり教育・学校マネジメントの現場で学生の成長に伴走。データサイエンスの専門家として学会・コミュニティでの研究・情報発信にも従事。現在は、100年の歴史を未来へつなぐため、脳科学・心理学・教育工学・データサイエンスを軸とした次世代教育システムの構築を主導している。岩崎学園の共通教育システム(全7校)の全体像はこちら
【参考文献・主要出典】
■ 基盤フレームワーク
- 池谷 裕二, 上大岡 トメ (2008). 『のうだま――やる気を出す脳の秘密』 ポプラ社. (③ BERI)
■ 動機づけ・マインド・認知理論
- Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). “The ‘what’ and ‘why’ of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior.” Psychological Inquiry, 11(4), 227-268. (① 自己決定理論)
- Csikszentmihalyi, M. (1990). “Flow: The Psychology of Optimal Experience.” Harper & Row. (② フロー理論)
- Rosenthal, R., & Jacobson, L. (1968). “Pygmalion in the classroom.” The Urban Review, 3(1), 16-20. (④ ローゼンタール効果)
- Kruger, J., & Dunning, D. (1999). “Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one’s own incompetence lead to inflated self-assessments.” Journal of Personality and Social Psychology, 77(6), 1121-1134. (⑤ ダニング・クルーガー効果)
■ 認知・学習・経験の理論
- Ebbinghaus, H. (1885). “Über das Gedächtnis: Untersuchungen zur experimentellen Psychologie.” Duncker & Humblot. (⑥ 忘却曲線と分散学習)
- Murdock, B. B., Jr. (1962). “The serial position effect of free recall.” Journal of Experimental Psychology, 64(5), 482-488. (⑦ 初頭効果・終末効果)
- National Training Laboratories (NTL). “The Learning Pyramid.” (⑧ ラーニングピラミッド)
- Kolb, D. A. (1984). “Experiential learning: Experience as the source of learning and development.” Prentice-Hall. (⑨ 経験学習モデル)
- Amabile, T., & Kramer, S. (2011). “The Progress Principle: Using Small Wins to Ignite Joy, Engagement, and Creativity at Work.” Harvard Business Review Press. (⑩ 進捗の法則・成長差分の可視化)
■ 評価・コミュニケーション・行動変容理論
- Hovland, C. I., & Weiss, W. (1951). “The influence of source credibility on communication effectiveness.” Public Opinion Quarterly, 15(4), 635-650. (⑫ 情報源信頼性理論)
- Deterding, S., Dixon, D., Khaled, R., & Nacke, L. (2011). “From game design elements to gamefulness: defining gamification.” In Proceedings of the 15th International Academic MindTrek Conference, 9-15. (⑬ ゲーミフィケーション)

